『咬合平面』とは簡単に言うと『歯並びをひとつの面としてあらわしたもの』です。
理想的に綺麗な平面をしているものもあれば、病的に凸凹しているものまでさまざまです。
咬合平面が乱れていると顎を横に動かしたときに奥歯に不当な力がかかってしまいます。
これを『干渉』と言います。
干渉が起こることで歯自体に痛みが出たり、顎の関節に症状(痛み・関節音等)が出たりします。
平面の修正はいろいろな方法がありますが今回は矯正で修正した症例です。
一見問題のない歯並びに見えますがレントゲン上では下のような写真になっています。
赤い線は現在の咬合平面をあらわしています。下方に膨らんで上方に跳ね上がっていていわゆる病的な咬合平面です。
青い線は理想的な咬合平面をあらわしています。赤い線に比べてカーブが緩やかです。治療終了の目標になります。
黒い矢印は咬合平面を修正せずに被せ物を作製した為、歯の高さが足りない状態をあらわしています。
治療計画として赤枠の歯を矯正の力で矢印の方向へ持ち上げます。
右側のバツ印は咬合平面を著しく変形させる歯であり、汚れも溜まりやすく親知らずのため抜歯となりました。
左側のバツ印は虫歯の侵食が著しく保存が不可能な状態でした。
赤枠の歯を矢印の方向へ持ち上げます。
矯正装置が入った状態です。
少し違和感がありましたがすぐに慣れていただきました。
もともと清掃が上手な患者様でしたので装置に特別汚れが溜まることはありませんでした。
矯正後のレントゲン写真です。期間として17ヶ月かかりました。
けして短くない数字ですが余分に歯を削ったりすることなく並びを整えることができました。
抜歯したところはインプラント処置を行いました。
あとは下の歯に最終的な被せ物を入れて処置は終わりになります。