「根っこのお掃除をしますね」と椅子を倒され、
口を開けたままやけに時間と回数がかかり「ピッピッピッピッ・・・」という軽い電子音・・・。
不快感は強いし、何をしているのかよくわからない・・・・。歯医者さんに通院したならそんな経験した方は多いのではないでしょうか?
根管治療とは、「歯の中の神経になんらかの原因で細菌感染が起こり,死んでしまった神経や感染した歯質、膿などを針のようなヤスリや薬を使って綺麗にすること」を言います。
感染の範囲が大きければ大きいほど時間と回数がかかります。
実際の症例です。
注目していただきたいのが、白く写っている薬の入った歯の根の先に黒い影があるという事です。
大きさを覚えておいてください。
この方はこの炎症が原因で顔の形が変わるくらい腫れてしまいました。
上の針のような器具を使って根管(神経が通る細い道)を綺麗(ヤスリがけみたいな感じ)にしていきます。
そしてあの電子音(メーター)もこの時に登場します。
根の先端の位置を器具が近づくにしたがって音の間隔が短くなり、正確にお掃除することができます。
上のレントゲン写真は消毒が終わって最終的な薬を詰めたところです。
わずかですが黒い部分の範囲が小さくなり、白っぽくなってきていると思います。影の中にわずかに白い線が写っていますが消毒の薬です。
今回は4回のお掃除で薬を詰めました。
炎症がだいぶ落ち着いて中の骨の再生が始まってきているようです。
術後6ヶ月の状態です。
また白っぽさが増したようです。2年から3年かけて完全に骨になりますが、それ以上かかるケースもあります。
このように細菌の数を減らし自然な治癒過程(骨の再生等)を促すことが根管治療の最大の目的です。