歯周病と咬合性外傷により、垂直骨吸収を起こしてしまっている歯の状態です。
歯周ポケットは深い所で6~10㎜で、歯の動揺も認めました。
まずは歯周基本治療となるブラッシングの改善、歯石除去、ルートプレーニング、
同時に歯の咬み合わせの調整も行いました。
原因の除去が適切に行え、歯肉の炎症状態が改善したので、
吸収してしまった骨を回復するために、歯周外科処置にエムドゲインを併用して、
再生療法を行いました。
エムドゲインとは、歯周組織再生用材料で、
歯槽骨に塗布して歯周組織の再生を促すものです。
骨の再生には、数ヶ月~数年かかることがあります。
術後、約3ヶ月の状態です。
歯周ポケットは4~5㎜に改善し、歯の動揺も少し改善しましたが、
レントゲンでの骨の再生は、まだ認めません。
術後、約2年の状態です。
歯周ポケットは3~4㎜に改善し、歯の動揺もほぼ無くなりました。
レントゲンでも、骨が再生してきているのが確認できます。
全ての症例に適用できるものではありませんが、
歯周病や咬合性外傷による骨吸収を再生療法を行うことで
改善を期待できることもあります。
この患者さまに、『なんでも食べらます』と、改善を喜んで頂きました。