上の前歯の被せ物の色調、適合が不良になっています。
また、写真に示すように歯茎にフィステルといって、膿の袋が確認できます。
歯根の中で細菌が増殖し炎症を起こすと、歯茎にニキビのようなものができてしまうことがあります。
適合の悪くなった被せ物を除去し、仮歯に置き換え、根の中の細菌を取り除く治療をします。
根の中の細菌を取り除く治療の中に外科的な方法があり、歯根端切除術といいます。
この方法は一般的な根の治療だけでは、細菌を取り除くことができない場合に用います。
写真で示すように、外科的な治療法ではありますが、長期的な予後を考えると効果的な方法です。
さらに、前歯の被せ物をする際に重要になってくる歯茎の治療も行います。
これは歯周形成外科といって、歯茎のラインを左右対称にしたり、くぼんでしまった歯茎を元の状態に戻したり、様々な審美的な問題の改善や、歯ブラシをしやすい環境作りにも応用されます。
歯根端切除術と歯周形成外科処置が終わった状態です。
2つの治療を同日に行ったので、外科処置は1回で終えることができました。
術後約2か月の状態です。
フィステルも消失し、歯茎の状態も良好で、縫った痕もきれいに治っています。
写真は仮歯の状態です。
最終的な被せ物が入った写真です。
歯の形、色調、歯茎の形態、ラインが審美的に整っています。
この症例のように、被せ物一つでもより患者様の満足することができる治療法が色々あります。